暴力革命と平和移行

暴力革命と平和移行の間題は1957年の各国共産党モスクワ会議の主要な論争点でした。この会議においてソ連共産党は宣言革案として、議会の中で多数をとり議会をブルジョアジー独裁の道具から真の人民の権力の道具に変える、平和移行の見解を提出しました。これに対して中国共産党は暴力革命はプロレタリア革命の普遍的法則であるとの見地で反対しました。プロレタリア革命の根本間題は、暴力によって権力を奪取し、暴力によってブルジョアジーの国家機構を打ち砕き、プロレタリア国家を打ちたてることにあります。ブルジョアジーの軍事的官僚的国家機構が粉砕されていなければ、プロレクリアートとその信頼できる同盟者が議会で多数を占めることは不可能か、あるいはあてにならないというものでした。この考え方は毛沢東の鉄砲から政権が生れるという有名な論断にたっているといえます。
プロレタリア独裁の問題は中国共産党はソ連共産党指導部の新綱領が、いわゆる全人民の党、全人民の国家の理論を提起し、プロレクリア独裁を事実上否定してしまったとして、批判していました。社会主義社会の発展は、連続革命の過程であり、資本主義と社会主義の二つの道の階級闘争が続き、その階級闘争の勝利を保証するのが、プロレタリア独裁であるとしていました。国際的にも強大な帝国主義が存在する現段階において、プロレタリア独裁が国際面で歴史的な任務を完了したと見ることは出来ないということでした。

中国と時代背景

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