人民公社

それまでのの高級農業生産協同組合が郷、行政権を単位に合併し、1958年秋に全国的に成立したのが農村の人民公社です。その第一の特色は、政社合一、つまり政権機構と集団所有制の経済組織とが合体したことです。これによって集団経済と国家との関係は一層密接になりました。第二の特色は、大きくて公共性のある二大二公と言われるように3000戸前後の規模を持ち、また集団的な共有制は、国家との関係を深めて、公的な性格を濃くしました。第三の特色は、単なる任意の農民の経済的集団ではなく、農村の社会組織であり、したがって、共産主義への移行の最良の形態とされていることです。社会組織であるために、もとの土地の地主や富農は農業生産協同組合の時のように組織の外側にいるのではなく、公社員である中農や貪農とともに、同じように労働し、報酬を受取れます。しかし、もとの土地の地主や富農は、なかなか正式の社員にはなれずに、公社の幹部に選ばれることも難しい。人民公社は大規模であるために、その運営は公社管理委員会、生産大隊、生産隊の三級管理制によっています。中間の管理機構である生産大隊は、300戸ないし500戸の農家の区域の単位であって、もとの高級農業生産協同組合の区域に該当します。生産隊は、25戸ないし30戸の農家の区域の単位で、もとの初級農業生産協同組合の区域に相当し公社の労働の単位です。59年から整社活動をはじめで、三級管理制は三級所有制によって裏うちされるようになりました。この三級所有制のもとで生産隊が土地の集団所有の単位となり、生産大隊が水利などの生産施設の所有単位となり、人民公社管理委員会は農業機械製造、修理工場や農産物加工工場を管理します。生産物の分配は生産隊を主たる単位として行われます。文化大革命の中で、革命委員会が成立してのち、集団農業は強化され、化学肥料製造や農産物加工などの近代的工業を公社の力で建設する動きが始まりました。

中国と時代背景

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